本当に「自分は無力」なのでしょうか?
- ギル和子
- 2020年6月5日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年6月5日
「ああー、出た出た!無力だから…タバコがやめられない」
「自分は無力」信教の信者発言に、私はいつもうんざりする。
アメリカで、’依存症は長期にわたる脳の病気’と言われ始めてからもう何十年も経つ、そして、その考え方が主流でもある。また、それに反論する専門家や脳科学者も沢山いる。
依存症は脳の病気…?
それとも個々の選択…?
私は依存症の勉強中、何度も様々な12ステップのAAミーティングに参加した。 そこではいつも参加者が手を繋いで、さて、ご唱和くださいという感じで、12ステップの項目を読み上げる。
”我々は(タバコ、コカイン、アルコール...色々)に対して無力だ”と皆声を合わせていた。それにしても神様がやたらと出てくるなーと。
私は毎回それを聞くたびに違和感を感じた。今も感じる。
https://aajapan.org/12steps/
数年前に、日本の”依存症を考える” のような座談会をネットで何度か見たことがある。その中で、覚せい剤依存の男性が、”サポートグループに入り、依存の事を勉強して、これは脳の病気なんだと聞いて、自分はこの薬物に対して無力なんだと分った”、そして、’何故自分が止められないのか分かった” というようなことも言っていた。 私は ’ああー、出た出た!無力だから止められない説’’ と思いながら彼と他の出演者らが12ステップの事を話すのを聞いていた。
私の周りにも、AAミーティングでアルコールやマリファナ等、依存から抜け出したと言う人がいる。ある人はもう何十年も通い続けている、アルコール依存の彼は、もう24年全く酒に触れたこともないと言っている。
依存行動から解放されるなら、方法はひとそれぞれなのは言うまでも無い。同じ問題を抱えた人たちが集まって、話しをしたり、聞いたりする事はとても意味があると思うし、そのサポートシステムのおかげで止められれば万々歳だ。 でも、依存症に打ち勝つ事が出来るのは、神様のおかげな訳がない。
その人が無力な訳など絶対にありえない。
ただ、止めると決めて、それをやり切るだけだ。
自分の依存は、自分にしか手に負えない。
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