ものは言いよう、言われよう。
- ギル和子
- 2020年6月17日
- 読了時間: 3分

あなたも文句を言って逆ギレされたことはないだろうか?
「ものは言いよう」とよく言われるが、同じことでも言い方次第で、よくも悪くも相手が感じる印象が変わってくるものだ。
数年前、私がカウンセラー講義を受けていた中で、「文句を言い合って、相手に改善してもらう」という無茶な課題が与えられた。
私のクラスメートは、アルコールや薬物依存から立ち直った人、5人の子供のシングルマザー、刑務所に何度も出入りしてる人、タトゥー屋さん、お巡りさん、薬のために売春をしていた人、車で暮らすホームレス等々、それはビジュアル的にも経歴的にもかなりクセの強い人達で、ただのおばさんの私が尻込みする状況はお分かりだと思う。
私は「文句を言いたい人」を決めた。彼女はジュリアという、ショートカットの若い女性。
高校生の時ヘロインを買うお金欲しさに盗みをして退学になり、今はレストランでウエイトレスをしている。
彼女の問題は、とにかくうるさいこと。
授業中でも私語は当たり前で、その音量が半端ない事をしばしば不満に思っていた。
私はこの奇妙な「文句をいう課題」に、率先的に手を挙げて申し出た!
そして、できるだけ率直に、正直に無駄な飾りをつけずに、こう言った。
「あなたの高校生のような話し方、授業中の私語の量とそのボリュームで、しばしば授業に集中できないことがある。理解して改善してもらえませんか?」
彼女はまるで、「え?私?」というように、とてもびっくりしたようだった。
しばらくバツの悪そうな顔をして黙っていたが、皆が彼女の答えを静かに待った。
誰もせかす人はいなかった。
暫くして、彼女は静かに語り始めた。
「学校を退学になって、家を追い出され、今友達の家に居候している。
何とか仕事は見つかったが、家に帰れない寂しさがMaxに達している。
クラスに来ると何だか安心して調子に乗ったんだと思う、今後は気を付ける、ごめんね」
結果のあっけなさに少々驚いたが、私は彼女が理解してくれた事がとてもうれしかった。
そして、この短時間でジュリアが自分を顧みて素直になってくれたこと。
正直に気持ちを打ち明けてくれたことに感動した。
私はこの課題を通して「ものは言いよう、言われよう。」だなと、つくづく納得した。
おそらく、私がジュリアに対する文句を「あなたの高校生のような話し方、なんとかならない?
授業中の私語の量とそのボリュームで本当にイライラするの!全く授業に集中できないから、なんとかしてくれない?」
などと感情をぶちまけるような言い方をしていたとしたら?
ジュリアの反応を想像してみてください。
あなたの想像通り…
彼女は冷静に自分を見つめ直して、プライベートを打ち明けて、どんな気持ちだったのか?などと話してくれるわけもないし、おそらく素直に謝るなどしなかったかもしれない。
人は時に、相手に文句や指摘など、感情的になって言ってしまうことがある。
でも…素直に、正直に、勇気をもって、
相手を敬いながら、思いやりの気持ちをもって、相手に伝えることで
人は素直に受け入れるものです。内容が文句や指摘など自分の非を認めるようなことであったとしても…。
この「ものは言いよう、言われよう。」は今現在も、私の仕事でも、プライベートでも気をつけている。
コミュニケーションの取り方次第で、人間関係がスムーズにいくのなら、やらない手はない!
あなたも、ぜひ今日の事例を参考にして
「素直さ、正直さ、尊敬、思いやり、勇気」の5つを、『コミュニケーションの心得』として覚えておいてほしい。
追伸
刺激的なクラスメイトの彼らは、話してみると皆親切でフレンドリーだったことは付け加えておきたい。
人は見かけで判断するもんじゃないということですね(笑)
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